8W4D島本理生『RED』を妊婦が読む
本ブログは、書き溜めた過去の日記を公開する形で更新しています。 実際の日付より1カ月半ほど遅れてアップしています。ご了承のうえお読みください!
賛否両論と話題の島本理生さん『RED』を読む。
「インディーズ時代から知ってたぜ」的なことを言うけど、島本理生さんは彼女が学生だった頃からずーっと追ってる作家さん。
なので、(エロいこと書けるようになったなぁ・・・)とかなり上からの感想を抱いてしまった。
要は不倫の話で、性と母性に揺れるリアルな女性を描く・・・的な話なんだけど、賛否両論の理由がよく分かった。
私は断然「否」!!
主人公に全く感情移入できず、優柔不断で考えの甘いポンコツだなーとまで思ってしまった。
こう思ったのは、妊娠中だったからかも?
簡単に「性」側に引っ張られるのに共感できなかった。
(そして家庭の外の世界に惹かれていく描写はリアルだったけど、母性的な描写はちょっと弱いなーと思ってしまった・・・)
読んでいて気づいたこと。
私は現在専業主婦で、しかも望んだ専業主婦で。
大学を出て、まぁまぁな企業に勤めていたけど、自分の経歴とかが勿体ないと感じたことや、それに対する未練を感じたことがマジで全くない。
それは『やりきったから』だと思ってたんだけど。
REDを読んで『仕事が辛かったから』ていうのが大きいんだなーと自己発見。
納得できない仕事をしたり、直接売り上げにつながらない仕事をしたり(「皆が楽になるために、既に終わった事象を表にまとめる」とかそういう普通の仕事)、やる気のない人に指示して自分自身納得してない仕事をやらせること。
クソ早い時間に起きて、全体の雰囲気を良くする笑顔をふりまくこと。
そんな簡単なことをしない自分の機嫌とれない人間と接すること。
お昼を食べる時間が無いこと。
ぶっつづけで5時間運転すること。
全てがマジで苦痛だったんだなぁ・・・と思った。
「自己裁量ですべてできない」という、会社員全員の当たり前の前提が、生理的に無理だったんだなぁ・・・と。
平気なようにやってたし、得意と好きは違うもんで。下手にたのしげに振る舞うのが得意だったのもジワジワ来てたんだなぁ・・・。
私はあの頃に、本ッッッッ当に戻りたくないし、会社に行かない今がマジで超絶ハッピー!と思ってるし、毎日あの地獄のような外の世界に行っている夫をマジで尊敬している。
そんなわけで、REDの主人公が、独身時代の男や、自分を使ってくれる会社に引っ張られていくのに感情移入できなかったんだな。多分。
夫はかっこよくて子煩悩、ていうかすぐ妊娠できてるし、義母は性格が良く、家はお洒落ででかそうで、育児や家事に誰も文句を言わない・・・めっちゃ最高な人生じゃんと思ってしまった・・・それを捨ててまで・・・。独身時代の男に・・・?会社勤めに・・・?理解できん。
かなり『母性よりに寄ってる』妊婦状態で読んだ読書感想でした。
しかし私、果たしてあかごが生まれて、あかごが意思をもって彼or彼女の生きたいように動き始めたとき再び「自己裁量でできない」状況になる訳だが・・・。
その時なにを思って、どう考えるんだろう。
自分のことながら興味がある。
自己裁量が無いながらも、出来ることもある外の世界に惹かれる日がくるのかな・・・?